CLASSY.本誌の大人気企画『着回しDiary』。独特なストーリー展開で、「もはやファッション誌というより読み物」など、読者からも多くの感想をいただいています。ストーリー設計から実際の撮影現場まで…気になる舞台裏を、CLASSY.ONLINE新米編集・平賀が突撃取材!10月号の『着回しDiary』を担当した編集・月田とライター・野田春香さんにお話を聞いてきました。
第2回目は、「制作工程」について。『着回しDiary』はどんなフローで作っているの?制作期間は?実際のカレンダーをもとに、解説してもらいます。
まずは、10月号『着回しDiary』の制作カレンダーをチェック!
平賀(以下、平):早速、制作工程についてお伺いしていきます。カレンダーを見てまず、制作完了に約2ヶ月かかるというのに驚きました!
ライター・野田(以下、野):確かに、そう言われてみると結構長い!
平:まずはプラン会議でストーリーを提出して、案が採用されたら正式に担当になるんですよね。
編集・月田(以下、月):そう、まずはそこがスタート。そこから、編集&ライターで話し合ってストーリーの大枠を決めていきます。どんなシチュエーションでどんな画を撮りたいか、モデルは誰がいいか、などを肉付けしていくイメージ。それが決まったら、編集がコンテを描きます。
月:コンテ作成は、「どこにメインディッシュを持ってきて、与えられたページ数で1ヶ月分のコーデをどう配置していくか」がポイントかな。私の場合は、起承転結の”転”の部分に必ず1ページ単体の大きなカットを持ってくるようにしています。やっぱり『着回しDiary』は写真が命だと思っているから。
平:パズルみたいで頭を使いそうですね。ストーリーは事前に1日単位で決めておくんですか?
野:ライターにもよるけど、私は先に全部決めてしまいますね。つっきー(編集・月田)が描いたコンテに合わせて、見せ所にストーリーの盛り上がり部分がハマるように気をつけながら。ストーリーを考えるのは苦じゃないので、わりとすらすら書けちゃうかも。
平:ロケ地はどうやって決めているんですか?
月:撮影の2週間〜10日前にカメラマンとの打ち合わせがあるので、そこでロケ地や小道具を固めています。「夕焼けのシーンが撮りたいなら、この場所・時間帯がキレイに撮れる」「ここなら人通りが少なくて撮影しやすい」というようなアドバイスをもらえるので。
野:そこから、10日間くらいかけてロケ交渉を進めていく感じ。
月:通常のファッション企画だと、だいたい撮影の1週間前にカメラ打ち合わせをするんだけど、『着回しDiary』は「いかに理想のロケ地で撮影できるか」が勝負だから、なるべく早めに動くようにしているかな。
コーディネートの組み立ては、パズル並みに難解!?
平:そしていよいよ、コーディネートを組んでいくわけですね。
月:コーデは撮影の3日前にスタイリストとライターで決めてもらうんだけど、野田ちゃん的にはこの工程が一番大変なんじゃない?
野:確かに!まず着回しに使うアイテムを決めてから、コーデの組み合わせを1ヶ月分作っていくんです。これがまあ大変で。「同じ服が2日連続で続かないように」とか、「アイテムによって登場回数にばらつきがないように」とか、「平日と休日で雰囲気が変わるように」とか。考えることがたくさん!
月:「着回しなのにこの服2回しか着てないじゃん!」とかはNGだからね。あと、大きくなる写真の服はなるべく同じアイテムを着ないように気をつけたり。
野:本当に頭を使いますよ。正の字を書きながらやらないと、わけがわからなくなってくる!
平:想像しただけで目が回りそうです…。コーデを組むのにいつもどのくらい時間をかけているんですか?
野:早い時は3時間くらいで、複雑なものだと5〜6時間くらい?
月:「メインアイテム7点」と「サブアイテム8点」からそれぞれ最低1アイテムずつ使ってコーデを組まなきゃいけない、みたいな時は大変だよね。組み合わせが縛られてしまうから。
野:そう、まさに今月号みたいなね!
撮影当日は、協力プレイで楽しく!
平:編集の月田さん的には、どの工程が一番大変ですか?
月:やっぱり当日は体力的に大変だよね。朝5時に集合して、物撮りまで終わるのが23時くらいだから。
平:だってこれ、1日で全カット撮り終えないといけないんですもんね?大変そう…。
野:でも、体力は消耗するけどやっぱり楽しいですよ!現場に一体感があるので。例えば、今回の撮影では大量の段ボールを組み立てないといけなかったけど、ロケバスさんからスタイリストさんまで総出で手伝ってくれて。みなさん本当に協力的でありがたい!
月:あとはエキストラとしても出てもらうしね。スタイリストさんに居酒屋のお客さんをやってもらったり、ロケバスさんに『JOKER』をやってもらったり(『ストーリ設計編』参照)。野田ちゃんも今回浮気相手役で出ちゃってるし(笑)
平:え!やっぱりあの人、野田さんだったんですか!
野:はい、実は(笑)そうやって、みんなで一丸となって企画を作っていく感じがたまらないんですよね!
今回は、気になる『着回しDiary』の制作過程をご紹介しました。気になる野田さんのエキストラカットは、ぜひ本誌でご確認くださいね。次回は、メイキング企画最終回。最新号の撮影裏話と、歴代エピソードについてクローズアップしていきます!
構成/CLASSY.ONLINE編集室