複数の漢字を組み合わせた言葉なら、それぞれの漢字の意味から読み方を考えることも可能です。
しかし、漢字一文字の場合、読み方をイメージするのが難しく、読み間違えることが少なくありません。
この記事では、そんな“読めそうで読めない1文字の漢字”をピックアップしてご紹介します。全問正解を目指して、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
1.「徐に」
「ゆるやかに」「静かに」、また「落ち着いて事を始めるさま」のことを「徐に」と言います。
もしかすると、言葉としては聞いたことがあるかもしれません。しかし、漢字表記になるとなかなか読み方をイメージしにくいものですよね。
そんな「徐に」の正しい読み方は……
「おもむろに」です。
「徐に(おもむろに)ポケットから煙草を取り出す」などといったように使われます。「じょに」と読むのは誤りですよ。
2.「夙に」
現在では地名などに使われている「夙」ですが、「夙」という漢字自体、あまり目にしたことがないという人もいるかもしれません。
「夙に」には「朝早く」「早くから」「前々から」といった意味があり、たとえば「彼の伝説は夙に知られている」のような使われ方をします。
そんな「夙に」の正しい読み方は……
「つとに」です。
「夙」は読み方もそうですが、漢字自体も「凧」などと間違われやすいため、漢字の書き方についても覚えておくと良いでしょう。
3.「乃ち」
「乃ち」という言葉は、その前の文章を言い直す時に使われます。たとえば「私のパソコンも、彼のパソコンも壊れている。乃ち、この部署で壊れているパソコンは計2台だ」というように使う言葉です。
また、そのほかにも「ただちに」「そこで」といった意味もありますよ。
そんな「乃ち」の正しい読み方は……
「すなわち」です。
ちなみに「すなわち」には複数の漢字表記があります。今回ご紹介した「乃ち」のほかに、「即ち」や「則ち」と表記されることもありますよ。
4.「漫ろ」
素直に読めば「まんろ」ですが……、「まんろ」では不正解な「漫ろ」。
「漫ろ」とは「なんとなく心の進むさま」や「これといった理由もなく」という意味を表す言葉です。よく「気も漫ろ」といった使われ方をします。
そんな「漫ろ」の正しい読み方は……
「そぞろ」です。
また、意味は「そぞろ」と同じですが「すずろ」とも読みますよ。
一文字の漢字、あなたはいくつ読めましたか? 普段何気なく使っている言葉でも、漢字表記になると読み間違えてしまう人は少なくありません。そんな難読漢字をすらすら読むことができたら、周りの人たちに知的な印象を与えられることができるでしょう。
参考文献
藁谷久三『教養が試される知らない漢字』(幻冬舎)
文/大内千明 画像/Shutterstock(reyesphoto、Jacob_09、bfk、fizkes)
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