日本人は睡眠時間が短いうえ睡眠満足度も低く、ステイホームの影響で睡眠リズムが崩れてしまった人も急増しているそう。梅雨明け後の暑い夏の夜、ぐっすり眠って心も体もリフレッシュするために、まずは寝る2時間前からの過ごし方を意識してみましょう。
ちゃんと眠れてる?「睡眠の質」チェックリスト10
快眠のための極意
しっかり眠るためには “寝る2時間前„の過ごし方が重要です
1.入浴は就寝2時間前までに体を「ゆっくり湯冷め」させる
「眠気には体温が大きく関わっています。眠気は深部体温と呼ばれる内臓の体温が下がり始めた時に出てくると言われており、自然な眠気が出てくるための体温のコントロールには入浴が最適です。具体的には眠りたい時間の2~3時間前に38~40℃のぬるめのお湯に20分程度、ゆっくりつかります。体が芯から温まり、徐々に下がっていく深部体温の温度変化を利用すると、自然な眠気が出てきてスッと眠りにつくことができます。また、帰宅が遅くなってしまって時間がない時や疲れてお風呂に入る気力が出ない時は、帰宅後にぬるめのシャワーを浴びるか、足首より下を少し熱めのお湯に10~15分くらいつける足湯だけでも効果が」
2.空腹も満腹もNG寝る2時間前までには夕食を済ませて
「満腹すぎても空腹でも人はよく眠れないので、食事は眠る2時間前までに済ませるのが理想です。寝る直前にたくさん食べてしまうと胃や腸の働きが活発になり、どうしても睡眠が浅くなってしまいます。逆に空腹の状態だと、覚醒度を上げる脳内物質が増えることがわかっています。帰宅が遅くなってしまう時は、サラダや豆腐料理、卵料理、魚料理など糖質や脂質が少なく、短時間でサッと食べられるメニューが望ましいですが、あまり夜遅い時間に食事をとると、肥満につながるだけでなく体内時計を遅らせてしまうので注意を。辛すぎるものなど刺激が強い食べ物にも注意。寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなる可能性も」
3.熱帯夜続きの日本の夏なら朝までエアコンで温度調整を
「寝室が高温多湿だと眠りが浅くなり、寝ている途中に目覚めやすくなるため、睡眠の質に悪影響が出てしまいます。そのため夏場は湿度50~60%、室温は26~28℃くらいに調整したほうがより快適な眠りが得られます。夏場は寝入りの時だけエアコンをつけて、タイマーオフ機能を利用している人もいるかと思いますが、オフになってから1~2時間経つと外気温の影響で湿度や室温が上がってしまい、また寝苦しい状態に戻ってしまいます。温度の下がりにくい熱帯夜の場合はエアコンを弱風・温度28℃程度に設定し、朝までつけっぱなしにしておいたほうが、眠りが浅くなることを防げるので、睡眠の質は高まるでしょう」
睡眠について気になることを先生にお聞きしました
A.睡眠の〝貯金〟はできませんが寝不足の〝借金返済〟なら可能です
「休日に長く寝ることで睡眠を〝貯金〟するような効果はありませんが〝睡眠負債〟を返済することは可能。目覚ましをかけず普段と同じ時間に寝て、目が覚めた時間がいつもより2時間以上遅いなら〝睡眠負債〟=寝不足という証拠。〝睡眠負債〟は眠らない限り解消しないので寝て返済する必要があります。理想は平日の睡眠時間+2時間まで、遅くても午前中には起きましょう。昼過ぎまで眠ってしまうと夜の寝付きが悪くなり、体内時計も乱れ体調不良の原因に」
イラスト/二階堂ちはる 監修/中村真樹 取材/加藤みれい
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