一見、簡単に読めそうに見えて、実は予想外な読み方をする漢字は少なくありません。
それだけに、油断していたら読み間違えて恥ずかしい思いをしてしまった……なんて可能性も。
そこで今回は、ぜひとも読めるようにしておきたい“変わった読み方をする漢字”をご紹介します。
1.「雪洞」
「紙張りの覆いをつけた、小形のロウソク立て」のことを「雪洞」と言います。ほのかな灯りが印象的で、雛祭りの日には雛人形が飾られた雛壇を照らすためにも使われている灯具です。
そんな「雪洞」の正しい読み方は……
「ぼんぼり」です。
この「ぼんぼり」という言葉は「ぼんやりと見える」ことからきたそうですよ。また「雪洞」という漢字は当て字なので、ぱっと見て迷わずに読める人はそう多くないかもしれませんね。
2.「慮る」
思わず「りょる」と読んでしまいがちな「慮る」。「慮る」とは「深く思いをめぐらすこと」や「周囲の状況をよく考えること」を意味する言葉で、たとえば「相手の立場を慮る」のように使われます。
そんな「慮る」の正しい読み方は……
「おもんぱかる」です。「おもんばかる」「おもんはかる」ではなく「おもん“ぱ”かる」と読むのがポイントですよ。
3.「喇叭飲み」
飲み物をコップに移すのが面倒だからと、つい「喇叭飲み」をした経験はありませんか? 「喇叭飲み」とは「まるで喇叭を吹くかのように、ビンに直接口をつけて飲むこと」を意味する言葉です。
言葉の意味から、何となく読み方を予想できた人もいるかもしれませんね。
そんな「喇叭飲み」の正しい読み方は……
「らっぱのみ」です。ちなみに「喇」も「叭」も、旁(つくり/漢字を構成するもののひとつで、主に漢字の右半分のこと)の音にあてはめた当て字だそうですよ。
4.「炬燵」
寒い季節に欠かせない、暖房器具の一種「炬燵」。もしかすると、実際に炬燵が自宅や実家などにあるという人もいるかもしれませんね。
そもそもは、炭火を置く囲炉裏(いろり)に櫓(やぐら/木の枠)をかけたのが「炬燵」の始まりだと言われています。
そんな「炬燵」の正しい読み方は……
「こたつ」です。ちなみに「炬燵」という漢字も、「雪洞」や「喇叭飲み」のように当て字だそうですよ。
変わった読み方をする漢字、あなたはいくつ正しく読めましたか? 読み間違いの多い漢字だからこそ、正しく読めることで周囲に「賢い人」「漢字に強い人」といった知的な印象を与えることができるでしょう。
漢字を正しく読めるようになっておいて損はありません。もし今回読み間違えてしまった漢字があれば、正しい読み方を覚えておきましょうね。
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参考文献
日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』(河出書房新社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Shingo76Misumaru、Roman Samborskyi、vchal、NAPORITAN)
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