人気ピン芸人ZAZYの仕事観「帰りにメークを落としながら“もっとやれたんじゃないか”と思う日もある」

「R-1グランプリ」で2年連続準優勝を果たし、今最も勢いがあるピン芸人の1人であるZAZYさん。一度目にしたら忘れられない個性爆発のビジュアルと、ハマるとクセになるユニークなフリップ芸で唯一無二の存在感を発揮しているZAZYさんが、CLASSY.ONLINEに初登場。現在34歳のアラサーならではの視点で、「仕事観」について語ってもらいました。

PROFILE
ZAZY(ざずぃー)●1988年6月27日生まれ。大阪府出身。NSC大阪校に33期生として入学し、2011年4月にデビューしたピン芸人。2013年に現在の芸名となった。奇抜な発想力を生かした紙芝居ネタで知られ、2021年、2022年に「R-1グランプリ」で2年連続準優勝を果たした。

ピンク色のド派手衣装は…アヴリル・ラヴィーンの影響!?

-ZAZYさんといえばインパク

-ZAZYさんといえばインパクトのあるピンクの衣装が印象的ですが、初めから今の芸風だったんですか?

デビューしてすぐは「赤井俊之」という本名で活動していました。服装も普通でしたね。でも、デビューして2、3年くらい経ってZAZYという名前に変えて。それで「もっとZAZYっぽくなりたい」と思って、髪を伸ばし始めて、衣装も変えて。ちょうどそんな時、アヴリル・ラヴィーンさんのPVを見て「僕に足りないのはこのポップさだ!」と感じて、彼女のような金髪ロン毛にして、衣装も派手なものを着るようになりました。

-ちなみにZAZYという名前の由来は?

これは、「ずっと、あなたと、ずっと、吉本」です。ZAZYになってからは「より面白い格好にしていきたい」という意識があって、どんどん派手になっていって、ピンクになって、羽がついて、という感じです。

最近、自分のやりたいことと求められることの塩梅がわかってきた

-今34歳ですが、20代の頃と

-今34歳ですが、20代の頃と比べて、お仕事への向き合い方に変化はありますか?

20代の頃は、まだ結果が出せてなかったのもありますけれど、とりあえず売れないとって気持ちが強かったですね。0か100かみたいなところがあって、自分を全部押し殺して求められることだけをやったり、逆に自分らしさをフルパワーで出しすぎたり。今は、ある程度お仕事がいただけるようになって、バランスというか…いい意味で、自分のやりたいことと、求められることの塩梅がわかってきた感じはあります。「ここは自分らしさ30%がいいな」とか「これは70%くらいいけるな」とか「ここは100%出し切ろう」とか考えられるようになって。それこそ年末の単独ライブは、自分らしさ100%で挑めるので、楽しみですね。

-その考えに至るまでに、何かきっかけはありましたか? いつごろから「バランスが取れるようになったな」と感じたのでしょう?

ここ1、2年くらいですね。やっぱりそれは、経験だと思うんです。量です。仕事量をこなすこと。自分のなかの経験の数が増えるにつれて、肌感覚がわかってきたというか。それでも今でも、仕事帰りにメークを落としながら「もっと出してよかったんかな?」とか「あれで合ってたんだろうか?」みたいに思うこともありますし、逆に「今日はめっちゃできたな!」って思うこともあります。

失敗しても落ち込まないのは、自分への期待値が低いから

-日々の仕事の中で、うまくいか

-日々の仕事の中で、うまくいかなかった時はどう対処していますか?

あんまり落ち込まないですね。多分、もともと自分がそんなにできるほうじゃないと思ってるかもしれないです。自分、そんなにいいもんじゃないぞ、っていうか(笑)。ライブで反応がよかったときとか、ウケたときとか、「よっしゃ!」くらいは思いますけど、今日の自分は100点だ!って思ったりしない。そのぶん、何かがうまくできなくてもめちゃくちゃ凹むってことも少ないかもしれないです。

-ZAZYさんは、大学中退してNSCに入られていますが、一度選んだ道を大きく変えることに不安はありませんでしたか?

全然なかったです。むしろ、お笑いやりたいって思ったとき、退路を断っておかないと、お笑いがダメかもなって思った瞬間に「じゃあ学生に戻って就活しよう!」とか思っちゃいそうだったので。後戻りできない状態にしたほうが、楽しそうだなって思いました。子どもの頃から、みんなと違うことがしたいっていうアイデンティティがあるんですよね。とりあえず、みんなと違うことをしておけば、なんとかなるっしょっていう(笑)。芸風がこんな感じなのも、そこに理由があるんだと思います。人と違う方がいいっていう考え方は普段からで、洋服屋さんで「これ今すごく売れてますよ」と店員さんに言われると急に欲しくなくなったり。売れてるってことは、みんなそれ着てるってことじゃないですか。それは嫌やなって。

「R-1」ラストイヤーを終えて、これからのZAZYが目指すもの

-では、ZAZYさんが仕事をす

-では、ZAZYさんが仕事をする上で心がけていることはありますか?

とりあえず、誰も羽つけてなかったら羽つけよう、ってことですかね(笑)!

-(笑)。人と違うことをしていこうと。12月26日に単独ライブが控えていますが、ライブへの意気込みを教えてください。

ここ10年くらいずっと賞レースがあって、あまり人と争うのが好きじゃない中で、争わないといけない環境下にあったんですけど、はじめてそこから解き放たれて、好きなことができる環境になりました。賞レースって、ある程度加点方式だし、多くの人に笑ってもらわなきゃいけないじゃないですか。もちろん好きなことをやってはいたんですけど、賞レースの制約がなくなったのはありがたいです。だから今回のライブは、自分が面白いなって思うことをガンガン詰め込めるようなライブにしたいです。新しいネタもいろいろ考えています。

12月26日(月)開催!
ZAZY大単独LIVE「大祭鳥」

公演日程:2022年12月26日(月)
時間:開場18:30/開演19:00
会場:紀伊國屋ホール
(東京都新宿区新宿3丁目17−7 紀伊國屋書店新宿本店4F)
出演者:
ZAZY
ゲスト:お見送り芸人しんいち(グレープカンパニー)、トニーフランク、男性ブランコ 他
会場チケット:前売:4,000円/当日:4,500円
配信チケット:イベント割対象1,000円

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撮影/千葉タイチ 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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表紙モデル:山本美月

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