今回は「音楽用語」にまつわる漢字を紹介します。中学校や高校の音楽の教科書で、漢字三文字の「○○曲」をいくつか覚えた記憶はありませんか? これらは、楽器名と同じように、もともとの原語をその発音に近いカタカナ表記にするわけですが、それとは別に、その音楽の形式や特徴から、漢字を当てた、いわゆる「当て字(当て読み)」表記も作られました。これらのうちのいくつかは、本来の音楽用語としての使用の枠を越えて、今でも商品名や小説や音楽のタイトルやその一部として、幅広く使われています。さらっと読めると、ちょっとかっこいいと思いませんか?
1.「円舞曲」
最初は「円舞曲」です。もちろん、そのまま「えんぶきょく」とも読みますが、「当て読み」してください。さて、読めるでしょうか?
正解は、「ワルツ〔英walts〕」でした。「円舞曲(ワルツ)」とは、「四分の三拍子の優美な舞曲。または、それに合わせて踊る舞踏そのもの」を意味します。萩原朔太郎などの詩人が自らの詩の中で使用している他、歌謡曲のタイトルや歌詞の中でもおなじみだと思います。
2.「狂詩曲」
次は、「狂詩曲」です。こちらも「きょうしきょく」と読みますが、先ほどと同じように読んでください。さて、読めるでしょうか?
正解は、「ラプソディ〔英rhapsodey〕」でした。「狂詩曲(ラプソディー)」とは、「自由な形式によって楽想を展開する器楽曲。民族的・叙事的な内容を表現したものが多い」音楽です。こちらも、小説や映画のタイトルなどに使われることが多いのですが、個人的には、「ラプソディ」と言えば、1975年に発表されたクイーンの楽曲「ボヘミアン・ラプソディ」がまさに「ラプソディ」であり、歴史に残る名曲だと思います。
3.「夜想曲」
最後は、「夜想曲」です。こちらも「やそうきょく」と読みますが、「当て読み」してください。さて、何と読みますか?
正解は、「ノクターン〔英nocturne〕」でした。「夜想曲(ノクターン)」とは、「静かな夜の情緒を表わす叙情的な楽曲」のことで、ショパンなどピアノ曲としてその多くが作られました。
いかがでしたか? まだまだネタはあるので、また近いうちに音楽特集をやります。では、今回はこのへんで。
《参考文献》
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)
・「新字源」(角川書店)
・「当て字・当て読み漢字表現辞典」(三省堂)
文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)
Magazine
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more