「これまで生理には、正しいデータも軽くする方法もなかった」--そんなショックな提言が話題になっている、予防医療コンサルタントの細川モモさん。“生理は病気ではない”から、これまで婦人科で使われていたデータは約60年前のアメリカのデータだったそう(!)。初めて日本女性2万人に行った調査から導き出した、私たちにショックな事実とは…!3回に渡ってインタビューします。
第二回は、私たちが思わずしがちなダイエットの弊害について。
ダイエットで落ちた基礎代謝は8年戻らないという事例も⁉
「生理がこなくなったり、不順になる原因として多いのが、実はダイエットです。
働く女性を対象に行った調査では、なんと5人に1人が過去3ヶ月連続として生理がとまる無月経になった経験があることが判明したのです。実は、生理がくる条件の最も大切な要因は、体脂肪が一定数あること。女性の体脂肪率の理想は、19〜28%。多くの人が正常な生理が来るうえ、最も妊娠しやすく、婦人科の病気にもなりにくい体脂肪率です。
体脂肪率が15%を切ってしまうと、半分の人は生理が来なくなります。よくアスリートに生理が来ないというのも、脂肪が関係しているのです。女性が1%でも減らしたいと思っている体脂肪は、実は女性の体を守ってくれる存在でもあるんです。
国で行われた研究によると、1日1,000kcal以下に抑えた食事制限ダイエットで落ちてしまった基礎代謝は8年経っても戻らないことも判明!痩せすぎると、女性ホルモンが安定せず、ある程度脂肪があるほうが健康的で美しい肌や髪にもなるので、痩せることをすばらしいと思い込むのはあまりオススメできません。脂肪を毛嫌いする方も多いですが、女性らしさを守る条件と考え、やせすぎず太りすぎず、適正体格を意識してくださいね」
豆乳・わかめ・ヨーグルトをコンビニで買おう
「実は私たちの生理痛にまつわるお悩みを改善する方法のひとつが、食事なんです。
「食事なんかで変わるのかな」と思う人もいるかもしれません。でも食事はダイレクトに体温や血圧、血糖値といった体の数値に変化をもたらすことが可能なので、栄養指導や食生活を見直すことで生理痛やPMSを改善できた事例はいくつもあります。一日当たり必要な栄養を見ると、その多さに途方もない気持ちになることもありますよね。
それに忙しいCLASSY世代の女性にとって、お金と時間、料理のスキル、知識など栄養を満たすハードルは高いですよね。でも魚料理が苦手な人はサバ缶を使えばいいし、栄養のことを考えたり覚えたりするのが苦手な人はとりあえずいつもの食事に卵をプラスする。
ひとり暮らしで食材の管理が難しい人は、カップ麺やカップ味噌汁に乾物の高野豆腐やワカメをトッピングするだけでもいい。それすら忙しくて無理!という人は、コンビニでヨーグルトや鉄分を含むお菓子をコンビニで買うだけでもいいのです。
大切なのは、健康とバランスのとれた栄養のための習慣を無理なく続けられるかということ。自分がなにを体に取り入れたり、なにをすれば健康でいられるのかの知識を身につけることを心掛けて欲しいです。知は力なりということわざがあるように。一度身につけてしまえば一生ものです」
自分の体を自分で守るために
生理にまつわる正しいデータを知るだけでなく、生理痛やPMSを自分で改善する方法を身につけたり、あるいは「これは病気かもしれないから病院に行こう」などと、正しい判断もできる知識が身につくことを目指した本著。2万人の調査で最新の生理データを集めた、日本で初めての書籍。
PROFILE
予防医療・栄養コンサルタント。一般社団法人ラブテリ代表理事。両親の闘病をきっかけに予防医療を志し、米国で栄養疫学と出会う。14年に三菱地所と働く女性のための「まるのうち保健室」を立ち上げ、「働き女子1,000名白書」を発表。女性のヘルスリテラシー向上と大規模調査を行っている。
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