【福士蒼汰×宮野真守インタビュー】大の仲良しの2人 待望の舞台共演が実現!

ドラマや映画、舞台で活躍している俳優の福士蒼汰さんと、マルチに活躍している声優界のプリンス・宮野真守さんが劇団☆新感線の舞台『神州無頼街』に出演。以前からとても仲良しというお二人へのインタビュー。前編では念願の共演を果たした今回の舞台のお話を中心に伺いました。

――お二人にとって‘17~’1

――お二人にとって‘17~’18年に『髑髏城の七人』Season月で同じ捨之介役を演じて以来の劇団☆新感線の舞台。今作ではバディとしてタッグを組みますが、稽古の様子はいかがですか?

宮野「僕、今すでに楽しくて。セリフを交わしているのがすごく楽しいです」
福士「そうですね
宮野「同じ役を演じた『髑髏城の七人』では稽古は一緒でしたが、チームが違うので舞台上では絶対に交わらなかったので――。自分たち二人が演じることに対して物語が動いていくというのは楽しいですね」
福士「僕は安心感があります。一緒にいてすごく落ち着くし、困った時は話し合いもできて。すごく滑らかに事が進んでいく感じが頼もしいなと思ってます」

――コロナ禍での延期を乗り越え約2年を経て、ほぼ同じキャストで上演が実現した『神州無頼街』。どんな思いがありましたか?

宮野2年前はやはり悔しかったですけど、当時はまだどうしていいかわからない状況だったので、ただ悔しいと嘆くこともできないというか、仕方ないと思うしかないというか……。その後、状況がいろいろ変わっていく中でエンタメの方向性も見えてきて、僕らも歩みを止めないように、いのうえひでのりさん演出の舞台『カチカチ山』や『浦島さん』に出演して思いを繋いできました。いのうえさんがおっしゃってましたが、ほぼ同じキャストで改めて上演できるのは奇跡に近いと思うので、この公演を大事にしたいです。先日、稽古中(政宏)さんが、『稽古できてるだけで、なんて幸せなんだろうね』ってポロっとおっしゃったんですね。僕はジーンとしちゃって……。今も予断を許さない状況下ですが、こうやって稽古場にみんなが集まれたことも感慨深いです。前回はそれすらできなかったので。その思いはキャストのみんなが共通して持っていることで、そのエネルギーはかけがえのないものだと思うし、思いを伝えられるステージになると思います」

福士「僕も2年前に中止になった時は悔しかったけれど、今はよかったかなと思っている部分もあるんです。この2年間で互いがいろんなことを経験し、上演が決まってからもさらに準備ができた。作品に向けて努力を積み重ねることができたので、自分の中では期待も高まりました。そういう意味ではよかったと思いながら稽古しています」

――福士さんが演じるのは博識の

――福士さんが演じるのは博識の若き町医者・秋津永流(あきつながる)。宮野さんが演じるのは陽気でお調子者の口出し屋・草臥(そうが)。今作ではお二人のキャラクターが役にあて書きされているそうですが、お互いについて似ているなと思うところは?

宮野
「作家の中島(かずき)さんが感じる僕らのキャラクターなんですが、ある意味ものすごくパーソナルな部分に寄り添ってくれています。そうちゃん(福士蒼汰)は本当はお茶目でちょっかい出したがる人なんだけど()、内面はすごくまっすぐな人。お芝居に対してストイックにまっすぐ向かっていくピュアさが反映されていると思いますね。あとは圧倒的なヒーロー感。それは役の秋津永流にあるし、そうちゃんにもある。真ん中に立つ人が輝きを放ってくれるのって素晴らしいなと思って。有象無象がうごめく物語のなか、風のように主役が現れるところに心をつかまれて、あて書きの妙があるなあと思いました」

福士マモちゃん(宮野真守)が演じる口出し屋(他人の事情に勝手に口を出しては銭にする)は、何でも屋みたいな部分もあって。マモちゃんほどサービス精神が旺盛な人は僕は見たことがないので、そういう意味でキャラクターが合ってるなと思いました。口上を述べたり相手を言いくるめたりするシーンはピッタリな気がします。同時に、草臥には抜け出したい過去も垣間見えたりして、そういう部分マモちゃんの表面だけでは見えないものと通じるな思ったりします。マモちゃんにも闇があるんですよ()

宮野「そういうことじゃない!()。今のは草臥という役の話ですからね~()。ネタバレになりそうなので詳しくは言えないですが、草臥は過去に抱えてるものがあって今があるように描かれています」

――とても仲の良いお二人ですが

――とても仲の良いお二人ですが、性格や考え方でお互いが似ていると思うところはありますか? 逆に違うところは?

福士「何から言おうかな~()。僕は逆だな思うことが結構あるかなあ」
宮野()。もちろん別な人間ですから、性質とか本質とか違うところはたくさんあるんですよ。整理整頓が上手にできたりできなかったりとかね()。違うところはたくさんあるんですが、お芝居のことに対しては気兼ねなく相談できるというか。歳が10歳離れてるってことに関係なく、『俺、今こう思ってるんだよね』とか『僕、今の状況こうなんだよね』とか、共感できて共鳴できるのは面白いなって思います」
福士「確かに。あまりないことかもしれないです
宮野「普通に話せるよね」
福士役者どうしだと恥ずかしい気持ちもあって僕は思ってることを共有することはあまりないかもしれないです。でもなぜか、マモちゃんとはそれが自然とできる。というのも、たぶん二人に違いがあるからだと思うんです。僕は映像のお仕事からこの世界に入ってきた人間で、マモちゃんは声優界で活躍されてきた方なので、畑が違うというか。違う作物を作っているからこそ、その作物いいね言い合えるし交換し合える。どちらがいいものを作っているかということじゃないから、いい関係性作れるんじゃないかなと思います」
宮野「そうだね。今作が延期になってしまったという思いも共有しているし、その期間それぞれ思うこともあったろうし、そのうえで今回また集まれてありがたいことにこうやって一緒にプロモーションもできて話すことも多いから。そういう積み重ねだと思いますね」

――今作に参加することで個人的

――今作に参加することで個人的に楽しみにしていることや課題はありますか?

宮野「歌です。今回、音楽劇にも近いくらいの楽曲の量なんですよ。歌で場面を見せていくことも多く、物語の色どりみたいなものを任されているのでしっかり表現したいなと思ってます。現段階でも担当させてもらってる楽曲が78くらいはあるのかな」
「僕はやっぱり殺陣です。殺陣のシーンが結構多いので。あとはお医者さんの役なのでいろんな医療の対応をしなきゃいけない。その方法もさまざまで普通の刀ではなく、いろんな器具を駆使して人命救助を表現するシーンもあるんです」
宮野「もうすでに難しそうだなって思いながら、僕は端から見てます。達人のように見えなきゃいけないので、すごく難しいと思いますね」

――『髑髏城の七人』の時は早乙女太一さんに殺陣を教わったとか。

福士「演出のいのうえさんが言うには、その時より三段階くらい殺陣のレベルが上がってるらしいです」
宮野「太一くんに要求するくらいのことをやってもらうって、言ってましたね()

――今の意気込みを教えてくださ

――今の意気込みを教えてください。

福士「確実に成功させるぞ!という気持ちです。この奇跡を形にしなければいけないという思いを大切に頑張ります」
宮野「僕らだけじゃなく、今作を楽しみにしてくださっていた皆さまも当時は悔しい思いをしたと思うし、今の状況ではまだいろんな思いを抱えていると思います。僕らは生き生きとステージの上で最高なパフォーマンスをしますので、それを見て笑ってもらえれば、幸せな気持ちになって帰ってもらえればいいなと思っています。そのためにこの芝居を素晴らしいものにするよう頑張りますので、ぜひ楽しみに待っていてください」

福士蒼汰

’93530日生まれ 東京都出身●‘11年俳優デビュー。以降、ドラマや映画に活躍し、’15年映画『好きっていいなよ。』など3作品で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。最近の主な演作はドラマ『明治開化 新十郎探偵』『神様のカルテ』、映画BLEACH 死神代行篇』、舞台『浦島さん』など。主演作・Amazon Originalドラマ『星から来たあなた』が配信中

宮野真守

8368日生まれ 埼玉県出身●幼少より子役として活動し、’01年声優デビュー。俳優、歌手活動など幅広く活躍。最近の主な出演作は声優:アニメ映画『竜とそばかすの姫』、アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』、映画(吹き替え)ファンタスティック・ビーストシリーズ、『ウエスト・サイド・ストーリー』Season1、舞台『カチカチ山』など。

2022年劇団☆新感線42周年興行・春公演
いのうえ歌舞伎『神州無頼街(しんしゅうぶらいがい)』
幕末を舞台に歌と踊りと立ち回りで彩る伝奇活劇。“幕末”や“任侠”という猥雑かつ激動の時代を舞台にした、いのうえ歌舞伎の最新作。作/中島かずき 演出/いのうえひでのり 出演/福士蒼汰、松雪泰子、髙嶋政宏、粟根まこと、木村了、清水葉月、宮野真守 他【大阪】317()29()オリックス劇場【静岡】49()12()富士市文化会館ロゼシアター 大ホール【東京】426()528()東京建物Brillia HALLhttp://www.vi-shinkansen.co.jp/shinshuburaigai/

撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/ 高橋幸一(Nestation)<福士さん> Chica(C)<宮野さん> スタイリング/小松嘉章(nomadica)<福士さん> 横田勝広(YKP<宮野さん> 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)
ジャケット¥140,800シャツ¥156,200パンツ¥81,400靴¥74,800(ヨウジ ヤマモト/ヨウジヤマモト プレスルーム03-5463-1500)、その他/スタイリスト私物<福士さん着用分> 

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最新号 202405月号

3月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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