正しい読み方が分からなくても、どうにか知っている読み方を組み合わせて“何となく”読んでしまっていることはありませんか?
その読み方が正しければ何も問題はありませんが、中には独特の読み方をする漢字もあります。そうした場合、何となく読んだ結果、読み方を間違えてしまうことも少なくありません。
今回は、そんな“読めそうで読めない漢字”をピックアップしてご紹介します。
1.「長閑」
「長閑な田園風景」や「長閑な天気」などのように「のんびりとしている様子」、あるいは「空が晴れていて、穏やかな天候」のことを「長閑」と言います。「ちょうかん」と読むのは誤りですよ。
普段は平仮名表記されることが多い「長閑」。そんな「長閑」の正しい読み方は……
「のどか」です。
ちなみに「閑」には「暇」という意味があり、「商売などが流行らず、人が集まらない様子」を意味する「閑古鳥が鳴く」という言葉にも「閑」が使われています。
2.「澄明」
「澄明」とは「澄みきって明るいこと」を意味する言葉です。たとえば「高原の澄明な空」などといったように使われます。
「登」を音読みで「トウ」と読むことから「とうめい」と読み間違いがちですが、正しくは……
「ちょうめい」と読みます。
「登」と「澄」は形が似ているために混同されやすい漢字ですが、「登」の音読みは「トウ」、「澄」の音読みは「チョウ」です。きちんと区別して覚えておきましょう。
3.「木霊」
「木の霊」と書くことから「もくれい」と読んでしまう人も多いこちらの漢字。「もくれい」「きれい」ではありませんよ。
ちなみに「木霊」とは「山などで声や音が反響すること」を意味する言葉です。そんな「木霊」の正しい読み方は……
「こだま」です。
「木」を「木の葉」のように「コ」と読むのがポイントですね。また「谺」と書いても「こだま」と読みます。
4.「湯中り」
「湯中り」という漢字を見て、一度で正しく読める人はあまりいないかもしれません。多くの場合「ゆなかり」と読んでしまうのではないでしょうか。
「湯中り」とは「お風呂に長く入りすぎて、気分が悪くなってしまうこと」を言います。言葉の意味を聞いて、読み方がピンときた人もいるかもしれませんね。そんな「湯中り」の正しい読み方は……
「ゆあたり」です。
ちなみに「中り」には「中毒」という意味があり、「湯中り」以外にも「ふぐにあたる」の「あたる」も「中る」という漢字も使います。
“読めそうで読めない漢字”、4つのうちあなたはいくつ読めたでしょうか? 「長閑」を「ちょうかん」と読んでしまったり、「木霊」を「もくれい」と読み間違えてしまったり……。何とか読もうとして、こうした読み間違いをしてしまうケースは少なくありません。
また、もし今回ご紹介した漢字のほかにも「何となく読んでいるけれど、実は正しい読み方を知らない漢字」があれば、隙間時間などに正しい読み方を調べてみると良いでしょう。
参考文献
日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Borysevych.com、GRJ Photo、ridography731、lzf、Olena Yakobchuk)
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