日頃から使い慣れている言葉ほど、実は間違っていても気が付きにくいもの。あまりにも普通に使っているだけに「まさか間違っていることはないだろう」と、ついスルーしてしまうのです。
今回は、そんな意外と間違って使っている人も多い“日常生活で正しく使いたい日本語”をご紹介します。
正しい日本語を使えているかどうか、ぜひ確かめてみてはいかがでしょうか?
1.「とんでもございません」
相手に何かをしてもらった時などに、つい「とんでもございません」と言っている人は多いのではないでしょうか。
しかし「とんでもない」は、「とんでもない」全体で一つの形容詞です。そのため、「ない」だけを丁寧な言い方にすることはできません。「とんでもない」を丁寧な言い方に直すなら、「とんでもないことでございます」とするのが適切な表現です。
また、相手からお礼を言われたことに対して「とんでもございません」と言う人もいますが、この場合は「どういたしまして」と返すのがベストですよ。
2.「お待ちしてください」
相手との打ち合わせ中に緊急の電話が入るなど、やむを得ず中座しなければならない時。あなたは何と声をかけていますか? もし「ちょっとここでお待ちしてください」と言っていたら、それは不適切な言い回しです。
まず、ビジネスシーンにおいて「ちょっと」はなるべく使わない方が良いでしょう。また「お待ちする」は「待つ」の謙譲語なので相手に使うのはNGです。
相手に待っていてほしい時は「恐れ入りますが、少々、お待ちいただけますか?」、あるいは「申し訳ありません。少々、席を外させていただきます」と伝えるようにしましょう。
さらに「すぐに戻ります」「5分ほど席を外させていただきます」など、どのくらいで戻ってくるのかも告げてあげると、より丁寧な印象になりますよ。
3.「伺ってございます」
「他の人からすでに話を聞いています」と伝える時、「伺ってございます」と言ってはいませんか。
「伺ってございます」は「聞いている」を「伺っている」と謙譲表現にして、さらに「聞いている」の「いる」を「ございます」と丁寧にした言葉です。しかし「ございます」は「ある」の丁寧な言い方であり、「いる」を「ございます」とするのは適切とは言えません。
そのため「伺ってございます」ではなく「伺っております」と伝える方がより自然で適切な表現と言えますよ。
いかがでしたか? もし誤って理解している日本語があれば、ぜひこの機会に正しい表現を覚えていってくださいね。
正しい日本語を覚えることは、自分の知識が増えるだけでなく、周りの人たちに信頼感を与えることにもつながるでしょう。
参考文献
本郷陽二『正しい敬語の使い方』(日本文芸社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(WAYHOME studio、Anatoliy Karlyuk、fizkes、Cookie Studio)
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