普段、当たり前のようにビジネスシーンで使っているその日本語。実は間違っているかもしれません!?
日本語が間違っているからといって、わざわざ指摘してくれる人はそう多くないでしょう。かといって、自分自身で間違いに気づくのはさらに難しいですよね。
今回は、そんな“ビジネスで使うのは間違いな日本語”をご紹介します。正しい言葉遣いができているのか、ぜひチェックしてみてくださいね。
1.「私的には…」
「私的にはこのように思います」「うちの会社的には、どうしても……」など、ビジネスシーンで「~的には」という言葉を使ってはいませんか?
「~的には」という言い方をすると、何となくやわらかな印象に聞こえます。そのため「ストレートな物言いを避けたい」という心理から、つい無意識で言っている人もいるでしょう。
しかし、友達同士や仲間内ならまだしも、ビジネスシーンで使うべき表現ではありません。
ビジネスシーンでは「私といたしましては……」と言うのが適切です。また、そのほか「~に関しては」「~については」と言い換えるのもアリですよ。
2.「お気づきの点はございますか?」
資料などを見てもらい、お客様に「気になるところがあるかどうか」を尋ねたい時。「お気づきの点はございますか?」と質問をする人もいるでしょう。
何気なく使いがちなこの言葉ですが、「ございます」というのは「ある」の丁寧語。つまり丁寧な言い回しではあるものの、お客様への敬意は直接示されていないのです。そのため、敬意を払うべき対象は特にいないけれど、全体的に丁寧なニュアンスを出したい時には「ございますか」を使うと良いでしょう。
一方で、目上の相手やクレーム対応など、相手へはっきりとした敬意を示したい場合は「お気づきの点はおありになりますか?」を使うべきです。
「おありになります」は「ある」に尊敬語「お(ご)~になる」が結びついた言い方であり、お客様への敬意をこめた表現と言えます。
3.「お元気でおられましたか?」
久しぶりに会うお客様に対して、どのように声をかけているでしょうか? たまに「お元気でおられましたか?」と言っている人を見かけますが、「おる」は「いる」の謙譲語なので適切とは言えません。
このようなシチュエーションでは「お元気でいらっしゃいましたか?」と声をかけると良いでしょう。相手の状態を問いたいので「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」を使うのが適切です。
ただし、地域によっては「いる」の代わりに「おる」を使っているところもあり、「おられる」を尊敬語とみなす説もあるそうです。とはいえ、ビジネスシーンでは一般的な表現をした方が無難なので、「いらっしゃる」を使うことをおすすめします。
ビジネスシーンでは、仕事の出来はもちろん、正しい日本語を使えているかどうかも重要なポイントです。言葉遣いがきちんとしている人は、丁寧で常識的な印象を与えることができるでしょう。
もし誤った日本語を使っていたという人は、ぜひ正しい言い回しを覚えて、実際に使ってみてくださいね。
参考文献
浦野啓子『問題だ!そのバイト語』(東洋経済新報社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Dean Drobot、G-Stock Studio、yavyav、Monkey Business Images)
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