普段何気なく目にしたり、会話の中で使ったりする四字熟語。でも実際に書こうとすると「こんな漢字だったっけ……?」と、意外と書けないことも。
そこで今回は、数ある四字熟語の中でも特に間違えやすいものをピックアップ。あなたはいくつ書けるでしょうか?
1.「臥薪嘗胆」
「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」とは「目的の達成のために、長い間苦労を重ねること」や「仇を晴らすため、長い試練を乗り越えようと苦心すること」を表す四字熟語です。苦労を重ねながらも、ビジネスが軌道に乗った際などに使われます。
この四字熟語で、特に間違えやすいのが「薪」を「新」と書いてしまうことです。また、努力が報われるといった文章で使われることが多いため、「嘗」を「賞」と書いてしまうケースもあります。
2.「厚顔無恥」
「図々しく恥知らずな人」という意味の四字熟語、「厚顔無恥(こうがんむち)」。ひとつひとつの漢字はそれほど難しくないのですが、四字熟語の意味から「無恥」を「無知」と勘違いしている人は少なくないようです。
「厚顔無恥」という四字熟語の正しい意味は「恥を知らない人」なので「無恥」と書きます。「ものを知らないこと」を表す「無知」ではない点に注意しましょう。
3.「意気揚々」
「はつらつとしていて元気がある」「得意気な様子」という意味から、つい「意気陽々」と書いてしまいがちですが、正解は「意気揚々(いきようよう)」です。
得意気にしている様子のことを「揚揚(ようよう)」ということから、「揚」という漢字が使われています。
四字熟語の意味を“なんとなく”で理解してしまっていると、部首を間違えたり形の似たような別の漢字にしてしまったりすることがあるので、四字熟語を覚えるときは語源も合わせてチェックしておくといいでしょう。
4.「温故知新」
「温故知新(おんこちしん)」とは、古いものを研究して、新しい知識や情報を見出すことを表す四字熟語です。特に間違いやすい部分は「故」を「古」と書いてしまうパターン。「古いもの」という意味から考えると、「古」でも正解ではないかと感じる人もいるでしょう。
「故」という漢字も「故郷(ふるさと)」という言葉で使われているとおり、「古い」「昔」といった意味をっています。つまり「古い」も「故い」も意味としてはそう変わりありません。
「温故知新」の語源となった君子の『論語』によると、「古」ではなく「故」が使われているため、そのまま「温故知新」となったようです。
5.「紆余曲折」
物事がなかなか順調に運ばず、込み入った様子を示す四字熟語「紆余曲折(うよきょくせつ)」。「曲」「折」などは「道がくねくねと折り曲がる様子」からイメージやすいかもしれません。この四字熟語で特に間違えやすいのは「紆」の部分です。
「紆」という漢字は、学校で教わったり、法令や新聞・雑誌などに使われたりする“常用漢字”ではありません。そのため「紆余曲折」という四字熟語以外では、あまり馴染みがないという人が多く、いざ漢字で書こうとしても思い出せないといったことがあるのでしょう。
四字熟語の漢字があいまいなときは、言葉の意味から語源をたどってみましょう。必ず、言葉の意味に沿った漢字が使われているはずです。また、四字熟語の成り立ちを知ることで、どんな時に使うべきなのかがわかります。使いどころを知ることで、言葉の表現の幅もどんどん広げていってくださいね。
文/大内千明 画像/Shutterstock(Antonio Guillem、ImageFlow、sebra、Dean Drobot、LittlePigPower、Peshkova)
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