駅から距離があって、徒歩ではなかなかたどり着けない立地の店。
不便だけれど実はそういうお店こそ美味しい名店だったりするんです。
今回は、タクシーに乗ってでも 行く価値があるレストランを厳選。
前編では、デート向け、ちょっとリッチで落ち着いたお店を紹介します。
路地裏に佇むフレンチで 滋味深いコースを
【白金】FRANZ(フランツ)
古い町工場をリノベーションした小さな空間、カウンターの向こうから微笑みつつ迎えてくれるのは店主の福田祐三さん。「レストラン パッション」「オーベルジュ オー・ミラドー」「マンダリン オリエンタル 東京 シグネチャー」「イートリップ」等を経た福田さんの料理は、バターやクリームをできるだけ控え、素材の力を際立たせています。繊細な火入れやクリアなコンソメなどに表れる王道フレンチの技術と、食材やその作り手に対する深い愛情が可能にした、優しい味わいです。
コースの始まりに必ず登場する一皿。生地にトリュフを混ぜ込んだ焼きたてワッフルにトリュフのクリームとトリュフのスライス、さらにトリュフオイルをかけて。
滋賀の「さかえや」から仕入れた宮崎牛と、那須の金子さんから届く金時人参や聖護院大根などを使ったポトフ。
福田さんが絶大な信頼を寄せる三重「岩崎魚店」のクエは4日間熟成させ、肉厚の椎茸を添えて。料理はすべて¥10,000のコースより。
[DATA]
港区白金6-2-17
☎03-6874-1230
18: 00~L.O.21:00
休:日曜、祝日
?恵比寿駅から¥890
見ても食べても満足できる 和×イタリアンの相乗効果
【西麻布】オステリアあんじゅ
日本料理店を営んでいた安住壮一さんとイタリアンの「mondo」「falo」を経た中澤泰徳さん、二人のシェフが厨房に立つ異色のオステリア。美しい和食器や繊細な素材使いには和のエッセンスが光り、パスタからメインディッシュへと続く満足感ある展開はイタリア料理ならでは。2つの魅力が融合した一軒で、欲張りなディナーを召し上がれ。
牡蠣の旨みがしっかり絡んだじゃがいものニョッキ。ほろ苦い菜花とともに。
嚙みしめるほどに味わいが広がるエゾジカのローストと、ほろりと柔らかい黒豚の煮込みを盛り合わせで。
無農薬人参と根セロリのサラダ、寒ブリのコンフィ、鴨ロース、金柑と芹の白衣和えなど、懐石料理のようなプレゼンテーションが楽しい。料理はすべて¥9,000のコースより。
[DATA]
港区西麻布2-24-17
☎03-6411-6680
18:00~ 翌1:00
休:日曜、祝日
http://anju.tokyo/
?六本木駅から¥490
最新レストランで 発酵を駆使した 未知なる味覚に遭遇
【目黒】Kabi(カビ)
発酵を中心とした日本古来の技法を取り入れながら、これまでにない料理を生み出す話題のレストラン。シェフの安田翔平さんはデンマーク、ソムリエの江本賢太郎さんはオーストラリアで修業を重ね、 海外に身を置いたからこそ感じた日本の食の可能性を伝えてくれます。発酵ジュースが登場するペアリングにも驚くはず!
かつら剥きにした大根のぬか漬けは菊花を添え、発酵トマトとあさりのソース、いちじくの葉のオイルとともに。
酢漬けにした鰯は青々しい香りが広がる発酵グリーンピースとジュースを合わせて。
あっさりとしたヒラスズキのソテーは白味噌やウイスキーなどを使ったソースで。あしらったのは焦がしたケールとねぎ。料理はすべて¥9,000のコースより。
[DATA]
目黒区目黒4-10-8
☎03-64512413
テイスティングコース 18:00~21:30 (要予約) アラカルト21:00~24:00 不定休
http://kabi.tokyo/
?目黒駅から¥730
撮影/福本和洋(MAETTICO) 取材/首藤奈穂
※「CLASSY.」3月号に掲載
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